企業版ふるさと納税 都道府県別ガイド
47都道府県の受入総額・プロジェクト数・参加自治体数を比較。CSR担当者が寄附先を選ぶための選定軸ガイドと注目都道府県ハイライト付き。
出典: 内閣府「企業版ふるさと納税 寄附実績一覧」(平成28年度〜令和6年度)localgovs.net独自集計
累計受入総額
1813億円
H28〜R6合計
受入都道府県数
47都道府県
全国すべてが参加
累計プロジェクト数
7,323件
全都道府県合計
参加自治体数(延べ)
1,610自治体
市区町村・特別区含む
寄附先都道府県を選ぶ3つの視点
企業版ふるさと納税の寄附先を都道府県で絞り込む際、CSR担当者がよく使う3つの選定軸を整理しました。稟議通過率を高めるためにも、複数軸で候補を絞ることが重要です。
① 事業領域の一致度
自社CSRテーマ(環境・教育・農業・防災など)と都道府県内の主要プロジェクトが合致しているか確認します。プロジェクト数が多い都道府県ほど選択肢が広く、複数年継続しやすい傾向があります。
② 受入実績・受入体制
受入実績が豊富な都道府県は、担当窓口が整備されており手続きがスムーズです。初めて企業版ふるさと納税を実施する企業には、受入自治体数が多く実績が豊富な都道府県からの検討がおすすめです。
③ 地域縁故の有無
工場・研究所・取引先・仕入れ先がある地域への寄附は、社内説明がしやすく稟議を通りやすい傾向があります。ただし本社所在地の自治体への寄附は禁止されているため注意が必要です。
※ 選定軸の詳細は 企業版ふるさと納税の禁止事項ガイド を参照
注目都道府県ピックアップ(令和6年度)
令和6年度(2024年度)に特に受入実績が伸長した、または受入体制が充実している都道府県を5つ取り上げます。
令和6年度に前年比+698%急増。大阪・関西万博関連インフラ・観光プロジェクトが集中。都市型CSRテーマとの親和性が高い。
累計受入額
77.6億
PJ数
168件
参加自治体
42市町村
横浜市・川崎市など政令市が参加。SDGs・脱炭素・DXテーマが豊富で、IT・製造業との相性が良好。
累計受入額
66.6億
PJ数
100件
参加自治体
24市町村
農業・観光・環境テーマで全国屈指の受入実績。食品・流通・観光業種の企業から継続的な支援が集まる。
累計受入額
195.5億
PJ数
744件
参加自治体
177市町村
令和6年能登半島地震の復興プロジェクトで急増。防災・インフラ・地域医療テーマが多数。
累計受入額
56.7億
PJ数
131件
参加自治体
20市町村
製造業・スポーツ振興テーマが充実。広島市・福山市の受入窓口が整備されておりプロジェクト規模も大きい。
累計受入額
79.7億
PJ数
129件
参加自治体
22市町村
※ 累計受入額はH28〜R6の全年度合計。令和6年度単年の都道府県別ランキングは こちらの寄附実績ランキング を参照。
注目都道府県の受入プロジェクト紹介
受入実績・注目度が高い都道府県について、どのようなテーマのプロジェクトが多いかをlocalgovs.net独自視点で整理しました。CSRテーマ別に寄附先を絞り込む参考にしてください。
北海道
農業・観光・環境の三本柱で全国屈指の受入実績。プロジェクト数が多く、CSRテーマを選ばずマッチングしやすい。
受入額累計
195.5億円
744件・177自治体
食料自給率向上・6次産業化・農産物ブランド化プロジェクト。食品・飲料・流通業との相性が高い。
全国最多クラスの件数ニセコ・富良野・知床などの観光地整備・インバウンド対策。ホテル・観光業・旅行業が連携しやすい。
年度ごとに継続案件多数北方林保全・CO₂吸収プロジェクト。脱炭素経営推進中の企業に特に人気。
ESG経営企業から高注目大阪府
令和6年度に急成長。都市型ビジネスとの親和性が高く、東京・大阪に本社を持つ企業でも大阪府内自治体への寄附は可能。
受入額累計
77.6億円
168件・42自治体
万博レガシー事業・会場跡地整備・国際文化交流。R6は万博関連で寄附額が前年比+698%の急成長。
令和6年度急増大阪府・市のデジタル基盤整備・産学連携イノベーション。IT・通信・金融系企業の参加が多い。
都市型CSR企業向きJリーグ・プロ野球連携の地域スポーツ振興。エンタメ・小売・飲食業種の参加実績あり。
知名度効果が得やすい石川県
令和6年能登半島地震の復興需要で受入プロジェクトが急増。「復興貢献」というCSRストーリーが社内稟議を通りやすい傾向がある。
受入額累計
56.7億円
131件・20自治体
住宅再建・インフラ復旧・仮設住宅運営など復興全般。建設・不動産・物流業の参加実績が豊富。
R6で急激に増加能登地域の医療施設復旧・訪問看護・地域包括ケア体制構築。医療・製薬・保険業向き。
社会貢献性が高い輪島塗・加賀友禅など伝統産業復興・金沢観光資源の磨き上げ。消費財・観光業との連携事例あり。
認知度UP効果が見込める神奈川県
横浜・川崎・相模原など政令市が参加。都市型SDGs・DXテーマが豊富で、IT・製造・金融業種の企業が参加しやすい環境が整っている。
受入額累計
66.6億円
100件・24自治体
横浜市・川崎市を中心にカーボンニュートラル・再生可能エネルギー関連プロジェクトが充実。
ESG投資家への訴求に◎デジタルインフラ整備・スマートモビリティ・AIまちづくり。IT・通信・自動車メーカーの参加実績。
都市型企業向き公立学校ICT化・保育施設整備・キャリア教育。教育・人材・IT業種から関心が高い。
社員への波及効果大広島県
広島市・福山市の受入窓口が整備されており、大型プロジェクトへの参加もしやすい。製造業系企業の寄附実績が特に豊富。
受入額累計
79.7億円
129件・22自治体
製造業クラスター形成・サプライチェーン強化・技能継承プロジェクト。製造業との直接連携事例が多い。
製造業 CSR の定番サンフレッチェ広島など地域スポーツ連携・スタジアム整備。地域ブランディングとセットで訴求可能。
企業ロゴ露出機会あり広島の平和関連施設整備・MICE誘致・観光基盤強化。サービス業・金融業の参加実績あり。
社会的メッセージ性が高い※ 事業テーマはlocalgovs.net独自分類。実際のプロジェクト一覧は各都道府県詳細ページおよび内閣府ポータルでご確認ください。
受入額TOP10(累計)
プロジェクト件数ランキングTOP10(累計)
「件数が多い都道府県=選べるプロジェクトが豊富」という観点のランキング。受入額TOP10と順位が異なる都道府県では、小規模・地域特化型のプロジェクトが多い傾向があります。
※ 件数はH28〜R6の全年度累計。件数が多い都道府県ほど、自社CSRテーマに合うプロジェクトを見つけやすい傾向があります。
全都道府県一覧(H28〜R6 累計)
各都道府県名をクリックすると、年度別推移・参加自治体ランキング・寄附企業一覧などの詳細データが確認できます。
| 順位 | 都道府県 | 受入総額 | プロジェクト数 | 受入自治体数 | 寄附企業数 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 北海道 | 195.5億円 | 744 | 177 | 1,494 |
| 2 | 群馬県 | 98.0億円 | 164 | 33 | 457 |
| 3 | 宮城県 | 90.8億円 | 185 | 36 | 544 |
| 4 | 静岡県 | 89.8億円 | 164 | 36 | 534 |
| 5 | 広島県 | 79.7億円 | 129 | 22 | 513 |
| 6 | 大阪府 | 77.6億円 | 168 | 42 | 725 |
| 7 | 神奈川県 | 66.6億円 | 100 | 24 | 406 |
| 8 | 茨城県 | 57.9億円 | 202 | 45 | 676 |
| 9 | 石川県 | 56.7億円 | 131 | 20 | 2,083 |
| 10 | 兵庫県 | 56.0億円 | 203 | 41 | 781 |
| 11 | 福岡県 | 50.2億円 | 225 | 55 | 824 |
| 12 | 徳島県 | 47.6億円 | 114 | 25 | 343 |
| 13 | 島根県 | 44.6億円 | 122 | 18 | 262 |
| 14 | 鹿児島県 | 42.6億円 | 246 | 42 | 684 |
| 15 | 岩手県 | 42.4億円 | 154 | 32 | 476 |
| 16 | 宮崎県 | 39.8億円 | 137 | 27 | 416 |
| 17 | 京都府 | 39.4億円 | 114 | 24 | 571 |
| 18 | 岡山県 | 34.4億円 | 196 | 28 | 607 |
| 19 | 熊本県 | 32.1億円 | 202 | 46 | 717 |
| 20 | 愛知県 | 31.9億円 | 193 | 53 | 518 |
| 21 | 長野県 | 31.2億円 | 312 | 55 | 480 |
| 22 | 青森県 | 29.4億円 | 154 | 33 | 238 |
| 23 | 愛媛県 | 29.2億円 | 85 | 20 | 300 |
| 24 | 滋賀県 | 29.0億円 | 84 | 19 | 201 |
| 25 | 佐賀県 | 28.4億円 | 96 | 19 | 421 |
| 26 | 沖縄県 | 28.1億円 | 126 | 38 | 434 |
| 27 | 三重県 | 27.9億円 | 102 | 27 | 251 |
| 28 | 栃木県 | 25.9億円 | 103 | 25 | 324 |
| 29 | 岐阜県 | 25.9億円 | 183 | 42 | 611 |
| 30 | 福島県 | 25.2億円 | 191 | 46 | 386 |
| 31 | 富山県 | 21.9億円 | 87 | 15 | 362 |
| 32 | 千葉県 | 21.7億円 | 182 | 49 | 419 |
| 33 | 長崎県 | 20.9億円 | 106 | 21 | 414 |
| 34 | 新潟県 | 18.3億円 | 161 | 30 | 439 |
| 35 | 奈良県 | 18.1億円 | 141 | 37 | 291 |
| 36 | 高知県 | 17.9億円 | 124 | 30 | 183 |
| 37 | 山梨県 | 17.7億円 | 110 | 27 | 298 |
| 38 | 埼玉県 | 15.7億円 | 207 | 58 | 545 |
| 39 | 和歌山県 | 15.6億円 | 151 | 30 | 253 |
| 40 | 秋田県 | 15.2億円 | 140 | 25 | 345 |
| 41 | 山形県 | 15.2億円 | 140 | 34 | 426 |
| 42 | 香川県 | 14.4億円 | 66 | 17 | 266 |
| 43 | 大分県 | 13.8億円 | 86 | 18 | 258 |
| 44 | 鳥取県 | 11.7億円 | 86 | 20 | 322 |
| 45 | 福井県 | 9.0億円 | 80 | 16 | 302 |
| 46 | 東京都 | 6.8億円 | 45 | 14 | 157 |
| 47 | 山口県 | 5.1億円 | 82 | 19 | 174 |
どの都道府県に寄附すべき?CSR担当者向け選び方ガイド
「都道府県を絞り込もうとしているが、どう選べばいいかわからない」というCSR担当者向けに、実務的な観点から選定フローを整理しました。稟議書作成の際にも活用できます。
自社CSRテーマと合う事業カテゴリを確認する
企業版ふるさと納税の事業は「農業・林業・水産業」「観光振興」「教育・子ども」「環境・脱炭素」「防災・復興」「DX・産業振興」「スポーツ・文化」「福祉・医療」など多岐にわたります。まず自社CSR方針に合うカテゴリを1〜2本絞ってください。
「本社・主たる事務所との同一自治体禁止」ルールを確認する
本社(または主たる事務所)が所在する市区町村への寄附は禁止されています(便益供与禁止)。ただし都道府県本体への寄附は禁止されていません。例えば「大阪市に本社がある企業」は「大阪市への寄附」は不可ですが、「大阪府への寄附」や「大阪府内の他市町村への寄附」は可能です。
地域縁故・取引先・工場所在地で絞り込む
地域との縁故(工場・研究所・仕入れ先・販売先・出身役員)があると、社内稟議で「なぜこの都道府県を選んだのか」の説明が容易になります。縁故のある都道府県のプロジェクト一覧を確認し、CSRテーマと合う案件があれば優先的に検討しましょう。
縁故がない場合は、CSRテーマ一致度・受入体制の充実度・プロジェクトの社会的インパクトを基準に選定します。
受入体制・担当窓口の充実度を確認する
プロジェクト数が多い都道府県ほど、受入担当窓口が整備されており手続きがスムーズです。初めて実施する企業には、プロジェクト数50件以上・参加自治体10以上の都道府県からの検討を推奨します。年度途中でも新規プロジェクトを受け付けている都道府県があるため、担当窓口への早期問い合わせが重要です。
複数都道府県・複数プロジェクトへの同時寄附も可能
企業版ふるさと納税は1社が複数の自治体・プロジェクトへ同一年度内に寄附することができます。CSRテーマを複数持つ大企業では、「環境→長野県」「観光復興→石川県」のように分散させる企業事例もあります。ただし各プロジェクトの最低寄附額(通常10万円以上)に注意してください。
稟議書で使える「都道府県選定理由」キラーフレーズ
- ① 「当社の主要仕入れ先・工場が所在する○○県を寄附先に選定。地域の持続的発展が当社サプライチェーンの安定にも直結するため、CSRと事業戦略が一体となった選定です。」
- ② 「自社の脱炭素目標(2030年CO₂○%削減)と合致した森林保全・再生可能エネルギープロジェクトを擁する○○県を選定。税額控除効果(実質負担率約30%)と社会的リターンを両立できます。」
- ③ 「令和6年能登半島地震の復興支援として石川県を選定。当社の本業スキル(建設・物流等)を生かした伴走型支援プロジェクトへの参加により、社員のエンゲージメント向上と社会貢献の両立が期待できます。」
※ キラーフレーズの詳細な使い方は 企業版ふるさと納税の稟議書作成ガイド(手続きの流れ) を参照。
※ 出典: 内閣府「企業版ふるさと納税 寄附実績一覧」(平成28年度〜令和6年度)。localgovs.net独自集計・2026年4月更新。