「ふるさと納税」には、個人が行うものと法人(企業)が行うものの2つの制度があります。名称は似ていますが、所管する省庁も仕組みも大きく異なります。この記事では、両者の違いを整理します。
制度の比較表
| 比較項目 | 個人版ふるさと納税 | 企業版ふるさと納税 |
|---|---|---|
| 正式名称 | ふるさと納税制度 | 地方創生応援税制 |
| 所管省庁 | 総務省 | 内閣府(地方創生推進事務局) |
| 対象者 | 個人(住民税納税者) | 法人(青色申告法人) |
| 創設年 | 2008年(平成20年度) | 2016年(平成28年度) |
| 税の軽減 | 所得税・住民税から控除(自己負担2,000円) | 損金算入+税額控除で最大約9割の法人関係税が軽減 |
| 返礼品 | あり(寄附額の3割以内の地場産品) | なし(経済的利益の供与は禁止) |
| 最低寄附額 | 実質的な下限なし | 1回10万円以上 |
| 寄附先 | 全国の自治体 | 認定された地域再生計画を持つ自治体(本社所在地を除く) |
| 寄附の使途 | 自治体の裁量(使途選択制を設ける自治体もあり) | 認定された地方創生事業に限定 |
| 制度の期限 | 恒久制度 | 時限措置(令和9年度まで延長済) |
| 根拠法 | 地方税法 | 地域再生法 |
最大の違い:返礼品の有無
個人版ふるさと納税では、寄附額の3割以内の地場産品を返礼品として受け取れることが大きな魅力となっています。一方、企業版ふるさと納税では返礼品はありません。寄附の代償として経済的な利益を供与することは明確に禁止されています。
ただし、感謝状の贈呈や自治体HP・広報での企業名紹介、施設への企業名表示などは認められています。
税の仕組みの違い
個人版
個人版では、寄附額から2,000円を差し引いた金額が所得税・住民税から控除されます。年収や家族構成に応じた控除上限額があり、その範囲内であれば実質2,000円の自己負担で寄附が可能です。
企業版
企業版では、通常の寄附金の損金算入(約3割の軽減効果)に加え、法人住民税・法人税・法人事業税から最大6割の税額控除が受けられます。合計で最大約9割の軽減効果となり、実質負担は約1割です。
寄附先の選び方の違い
個人版
全国のどの自治体にも寄附が可能です。返礼品を基準に選ぶことが一般的です。
企業版
内閣総理大臣が認定した地域再生計画を持つ自治体の事業のみが対象です。また、本社が所在する自治体への寄附は対象外となります。当サイトでは全国の認定事業の一覧から寄附先を探すことができます。
企業が活用するメリット
返礼品がない企業版ふるさと納税ですが、以下のようなメリットがあります。
- 最大約9割の税軽減:実質1割の負担で地域貢献が可能
- 地方公共団体との新たなパートナーシップ構築:事業を通じた長期的な関係づくり
- SDGs・ESGへの貢献:地方創生を通じた社会的責任の実践
- 企業PR:感謝状、HP掲載、施設への名前表示など
- 人材育成:人材派遣型を活用した社員の成長機会
企業版ふるさと納税の詳しい仕組みについては、企業版ふるさと納税とは?をご覧ください。