東京都の企業版ふるさと納税 寄附実績
⚠️ 東京本社の企業が最初に読むべき2つの除外ルール
東京都内に本社(主たる事務所)を置く企業は、企業版ふるさと納税の制度上で2段階の除外ルールに直面します。寄附先選定の前に必ず確認してください。
① 本社所在地ルール(地方再生法第10条 / 内閣府Q&A)
企業は本社(主たる事務所又は事業所)の所在する地方公共団体への寄附について、企業版ふるさと納税の税額控除を適用できません。例えば千代田区に本社を置く企業は千代田区への寄附は対象外。同様に東京都本体への寄附も、東京都内に本社を置く全企業が対象外となります(都道府県レベルでの除外)。これは法人住民税・法人事業税の税源シフトを防ぐための制度設計上のルールです。
② 不交付団体ルール(内閣府 地方創生応援税制 Q&A)
地方交付税の不交付団体(財政力指数が高く国からの交付税を受けていない自治体)は、企業版ふるさと納税の寄附先になれません。東京都本体に加え、令和6年度時点で千代田区・港区・渋谷区・中央区・新宿区・台東区・文京区・目黒区・品川区・武蔵野市・三鷹市など東京都内の主要オフィス街・住宅地の多くがこのルールにより寄附先から除外されています。三井物産・三菱商事・伊藤忠など大手商社が本社を置く都心エリアは、本社所在地ルール以前にそもそも寄附を受け付けていません。
※ 出典: 内閣府「企業版ふるさと納税Q&A」/総務省「令和6年度地方交付税の交付・不交付状況」
東京本社の企業が活用できる都内寄附先 — 3つのルート
① 23区内の交付団体(足立区・葛飾区・江戸川区・荒川区・北区・板橋区など)
23区のうち地方交付税の交付を受けている区(足立・葛飾・江戸川・荒川・北・板橋・墨田・練馬・中野・杉並など)は、企業版ふるさと納税の寄附先として申請があれば活用可能です。本社が同区にない東京本社企業は、これらの区が認定する地方創生プロジェクト(子育て支援・スタートアップ支援・空き家活用・観光振興など)への寄附が選択肢になります。「都心の本社×下町・城北エリアへの還流」というストーリーは、地域格差の是正・地域経済循環というCSRの文脈で稟議化しやすい構成です。
② 多摩エリア(八王子市・町田市・調布市・小金井市・国分寺市・あきる野市など)
多摩地域の市町村は、武蔵野市・三鷹市など一部の不交付団体を除き、多くが交付団体として企業版ふるさと納税の認定事業を持ちます。八王子市は大学誘致・産学連携、町田市はスマートシティ・MaaS実証、調布市はeスポーツ・コンテンツ産業など、都心本社企業のCSRと親和性の高いテーマが揃います。多摩西部(あきる野市・檜原村・奥多摩町)は森林保全・カーボンクレジット・水源地保護で東京の水道インフラを支えるエリアであり、TCFD/SBT対応のCSRに直結します。
③ 島嶼部(大島町・八丈町・小笠原村・新島村・神津島村など)
伊豆諸島・小笠原諸島の町村は、東京都内でありながら本土との距離・人口規模・財政力の点で独自のCSRストーリーを持ちます。小笠原村は世界自然遺産(ユネスコ)の保護、大島町は活火山と共生する観光・防災、八丈町は再生可能エネルギー(地熱・風力)の実証フィールドなど。「東京都内であることを活かしつつ、世界遺産保護や離島再エネへの貢献」という1石2鳥のメッセージは、ESG報告書での独自性確保に有効です。
通常のCSR寄附枠と企業版ふるさと納税の使い分け
| 項目 | 企業版ふるさと納税 | 通常の指定寄附金枠(一般CSR寄附) |
|---|---|---|
| 寄附先 | 国の認定を受けた地方公共団体の地方創生プロジェクトのみ | 指定寄附金(公益法人・NPO・学校法人など) |
| 税額軽減 | 寄附額の最大約9割(損金算入+税額控除6割) | 損金算入のみ(実質負担 約7割) |
| 本社所在地への寄附 | ❌ 対象外(東京都本体・本社区市町村) | ✅ 制限なし(公益団体経由で都内事業も支援可) |
| 便益供与 | ❌ 経済的利益の収受は厳禁(令和7年度改正で欠格期間2年) | 原則禁止だが緩い(協賛・冠スポンサー型は別枠) |
| CSR報告書記載 | 「地方創生応援税制活用」と特定可・国の認定事業として独自性高 | 一般CSR寄附扱い・他社との差別化困難 |
※ 詳細な仕訳・税務判断は 経理担当9問FAQ(仕訳例・別表十四) を参照
東京本社CSR担当者の活用パターン3選
パターンA: 本社所在地ルール回避型 — 都心本社→都内交付団体への還流
千代田・港・渋谷・中央など都心本社の企業が、足立区・葛飾区・江戸川区など23区内の交付団体や八王子市・町田市など多摩地域への寄附を行うパターン。「東京都内で完結する地域経済循環」というストーリーで、本社所在地ルールに抵触せず、かつ取引先・社員の通勤圏との関係性も訴求できます。スタートアップ支援・子育て支援・防災まちづくりなど、本社近郊エリアのテーマを選ぶことで稟議の通りやすさが上がります。
パターンB: 縁故地域併用型 — 東京本社×創業地・工場立地地域への寄附
東京本社の企業が創業者の出身地・主力工場の立地地域・取引先の集中地域へ寄附する全国型パターン。例えば東京本社×新潟・富山の創業地への寄附、東京本社×石川県能登復興への寄附、東京本社×北海道(道産食材サプライチェーン)への寄附など。全国の寄附企業名鑑(2,000社超) を見ると、大手商社・金融・メーカーの多くがこの「東京本社×全国分散寄附」モデルを採っています。
パターンC: 災害復興×能登/東日本/南海トラフ対応型
東京本社×災害被災地への寄附は、地理的距離があるからこそ「災害支援としての一過性ではない継続的コミットメント」を訴求できる構成です。能登半島地震復興(石川県輪島市・珠洲市・能登町)、東日本大震災復興(岩手・宮城・福島)、南海トラフ事前対策(高知・徳島・和歌山)など、サプライチェーン上の重要拠点と紐づけると稟議化が容易になります。詳細は 災害復興×CSRガイド を参照。
CSR稟議で使えるキラーフレーズ(東京本社向け)
- 「東京都内のうち本社のある区+東京都本体は寄附対象外ですが、足立区・葛飾区・江戸川区など23区内交付団体や多摩エリア(八王子・町田・調布)は寄附可能です。『東京内で完結する地域格差是正のCSR』として通常の指定寄附金枠より税額軽減が大きく(最大約9割)、稟議化しやすい構成です」
- 「東京本社×全国分散寄附は、当社調べで2,000社超が採用する標準モデルです。創業地・工場立地・取引先集中地への寄附を1〜3件組み合わせることで、本社所在地ルールに抵触せず、かつサプライチェーン上のCSRとしてESG評価に直結する稟議資料を作成できます」
- 「島嶼部(小笠原村の世界自然遺産保護・八丈町の地熱再エネ)への寄附は『東京都内でありながら世界遺産・再エネ』という1石2鳥の独自性を持ち、統合報告書・サステナビリティレポートで他社CSR寄附と差別化できる稀少な選択肢です」
年度別推移
受入総額の推移
| 年度 | 受入総額 | 前年比 | プロジェクト数 | 受入自治体数 | 寄附企業数 |
|---|---|---|---|---|---|
| 平成29年度 | 180万円 | - | 1 | 1 | 5 |
| 平成30年度 | 470万円 | +161% | 1 | 1 | 18 |
| 令和元年度 | 470万円 | +0% | 3 | 2 | 11 |
| 令和2年度 | 1605万円 | +241% | 3 | 3 | 13 |
| 令和3年度 | 240万円 | -85% | 3 | 3 | 6 |
| 令和4年度 | 3025万円 | +1160% | 6 | 5 | 17 |
| 令和5年度 | 4.9億円 | +1518% | 12 | 10 | 61 |
| 令和6年度 | 1.4億円 | -72% | 16 | 14 | 79 |
自治体別 受入額ランキング
東京都に寄附した企業一覧(上位50社)
全157社のうち上位50社を表示。全件は CSV でダウンロードできます。
📥 全件をCSVダウンロード| 順位 | 企業名 | 寄附プロジェクト数 |
|---|---|---|
| 1 | 西武信用金庫 | 10 |
| 2 | トヨタモビリティ東京(株) | 9 |
| 3 | ⻄武信用金庫 | 8 |
| 4 | 多摩川開発(株) | 8 |
| 5 | (株)アサイン | 7 |
| 6 | 住友金属鉱山(株) | 7 |
| 7 | (株)ダイエー | 6 |
| 8 | タレントスクエア(株) | 5 |
| 9 | 第一生命保険(株) | 5 |
| 10 | 日本生命保険相互会社 | 5 |
| 11 | (株)ギオン | 4 |
| 12 | 日産緑化(株) | 4 |
| 13 | (株)ジャパン・サイクル・インフィニティ | 4 |
| 14 | (株)クリーン工房 | 3 |
| 15 | (株)三興土地開発 | 3 |
| 16 | 弁護士法人岡野法律事務所 | 3 |
| 17 | 税理士法人センチュリーパートナーズ | 3 |
| 18 | (株)きらぼし銀行 | 3 |
| 19 | (株)サウスエージェンシー | 3 |
| 20 | 富士建物管理(株) | 3 |
| 21 | 野村不動産ライフ&スポーツ(株) | 3 |
| 22 | (株)報知新聞社 | 3 |
| 23 | 日本トーター(株) | 3 |
| 24 | ダイドードリンコ(株) | 2 |
| 25 | (株)エムエスピー | 2 |
| 26 | 東京税理士協同組合 | 2 |
| 27 | (株)バディ企画研究所 | 2 |
| 28 | あいおいニッセイ同和損害保険(株) | 2 |
| 29 | (株)Liam | 2 |
| 30 | (株)Meフードシステム | 2 |
| 31 | (株)ビートレーディング | 2 |
| 32 | S&Eパートナーズ(株) | 2 |
| 33 | (株)ハクユーサービス | 2 |
| 34 | (株)テクニカルエイト | 2 |
| 35 | (株)伊藤園 | 2 |
| 36 | (株)ホソヤエンタープライズ | 2 |
| 37 | (株)アースダンボール | 2 |
| 38 | 住友林業緑化(株) | 2 |
| 39 | (株)キャリアコンサルティング | 2 |
| 40 | 東京写真工芸(株) | 2 |
| 41 | (株)ストライク | 2 |
| 42 | (株)シンクロ | 2 |
| 43 | アルバ(株) | 2 |
| 44 | (株)柾木上川 | 2 |
| 45 | (株)ウェブブランディング | 2 |
| 46 | (株)豊栄 | 1 |
| 47 | 戸田建設(株) | 1 |
| 48 | 雲雀園芸(株) | 1 |
| 49 | 東京食品販売(株) | 1 |
| 50 | 宝印刷(株) | 1 |
関連ページ
※ 出典: 内閣府「企業版ふるさと納税 寄附実績一覧」(平成28年度〜令和6年度)