企業版ふるさと納税(正式名称:地方創生応援税制)は、国が認定した地域再生計画に基づく地方公共団体の地方創生プロジェクトに対して企業が寄附を行った場合に、法人関係税から税額控除を受けられる制度です。平成28年度(2016年度)に創設され、令和7年度税制改正により令和9年度(2027年度)まで延長されています。

制度の仕組み

企業版ふるさと納税では、通常の寄附金の損金算入(約3割の軽減効果)に加えて、税額控除(最大6割)が上乗せされます。合計すると、最大で寄附額の約9割が税負担の軽減となり、企業の実質負担は約1割にまで圧縮されます。

税額控除の内訳

税目 控除割合 控除上限
法人住民税 寄附額の4割 法人住民税法人税割額の20%
法人税 寄附額の1割(法人住民税で4割に達しない場合の残額) 法人税額の5%
法人事業税 寄附額の2割 法人事業税額の20%

例えば、1,000万円を寄附した場合、最大約900万円の法人関係税が軽減されます。

寄附の条件

  • 最低寄附額:1回10万円以上
  • 対象外:本社が所在する地方公共団体への寄附
  • 対象外の自治体:不交付団体である東京都、および不交付団体で三大都市圏の既成市街地等に所在する市区町村
  • 禁止事項:寄附の代償として経済的な見返りを受けることは禁止
  • 寄附額は事業費の範囲内とすることが必要
  • 寄附企業名は原則公表

活用の流れ

  1. 地方公共団体が地方版総合戦略を策定する
  2. 総合戦略を基に、地方公共団体が地域再生計画を作成する
  3. 内閣府が計画を審査し、内閣総理大臣が認定する(年3回:5月・9月・1月頃)
  4. 企業が認定済み事業に対して寄附を実施する
  5. 企業は法人関係税の確定申告時に税額控除を適用する

人材派遣型

令和2年(2020年)10月には、「人材派遣型」が創設されました。企業の専門的な知識・ノウハウを有する人材を地方公共団体等に派遣し、地方創生の充実・強化を図る制度です。

  • 人件費相当額を含む寄附額の最大約9割に税の軽減効果
  • 派遣形態は柔軟に設定可能(週3日、午前中のみなども可)
  • 自治体は実質的な人件費負担なく専門人材を受け入れ可能
  • 2024年4月時点で累計157人が派遣され、119自治体が受け入れ

制度の実績と今後

令和2年度の税制改正で税額控除割合が2倍に引き上げられたことを機に、寄附実績は飛躍的に増加しています。

年度 寄附額 寄附件数 寄附企業数
令和元年度 約33.8億円 1,327件 1,117社
令和2年度(税制改正) 約110.1億円 2,249件 1,640社
令和5年度 約470.0億円 14,022件 7,680社
令和6年度 約631.4億円 18,457件 8,464社

令和7年度税制改正により、制度改善策(チェックリスト導入・契約手続の透明化等)を講じた上で、令和9年度(2027年度)まで延長が決定されています。

当サイトでは、全国の自治体が認定を受けた地域再生計画の一覧を掲載しています。ぜひ寄附先の検討にご活用ください。