「CSRレポートに載せられる社会貢献活動を探しているが、予算が確保できない」——そんな担当者ほど、企業版ふるさと納税が突破口になります。

寄附額の最大9割が税軽減されるため、実質1割の自己負担で地方創生プロジェクトへの参画が実現。令和6年度は8,464社・約631.4億円(内閣府公表の政策分野別総額/前年度比34%増)が活用しており、製造業・金融・ITなど業種を問わず広がっています。業種別の活用事例を見ると、自社のCSR戦略に合うプロジェクトが見つかります。

企業版ふるさと納税(正式名称:地方創生応援税制)は、国が認定した地域再生計画に基づく地方公共団体の地方創生プロジェクトに対して企業が寄附を行った場合に、法人関係税から税額控除を受けられる制度です。平成28年度(2016年度)に創設され、令和7年度税制改正により令和9年度(2027年度)まで延長されています。

👉 制度の関係者5者・年間スケジュール・根拠法4本(地域再生法17条の3+地方税法附則8条の2の2+法人税法37条7項+租税特別措置法42条の12の2)を俯瞰したい方は、地方創生応援税制の制度全体マップ を参照ください。本記事は入門・実績・FAQ に集中しています。

CSR担当者が押さえるべき3つのポイント

  • 寄附額の最大約9割が税軽減となり、実質負担は約1割
  • 令和6年度の活用実績は8,464社・約631.4億円(内閣府公表の政策分野別総額/前年度比34%増)
  • 令和7年度税制改正で2027年度まで延長が決定済み

令和6年度に寄附総額が前年度比+49%(政策分野別総額ベースでは+34%)へ急増した背景は、件数(+8.5%)ではなく1件あたり単価(+37%)の上昇が主因です。能登半島地震復興と大阪・関西万博関連で増加分の約28%を説明できます。詳しくは令和6年度 +49%急増の構造分析を参照ください。

制度の仕組み

企業版ふるさと納税では、通常の寄附金の損金算入(約3割の軽減効果)に加えて、税額控除(最大6割)が上乗せされます。合計すると、最大で寄附額の約9割が税負担の軽減となり、企業の実質負担は約1割にまで圧縮されます。

自社の寄附額別の税額控除シミュレーション(法人税・住民税・事業税の各上限・実質負担額の算出)は企業版ふるさと納税のシミュレーション計算ツールで確認できます。寄附額1,000万円・3,000万円・5,000万円の早見表付きで稟議書にそのまま使える数値が手に入ります。

税額控除の内訳

税目 控除割合 控除上限
法人住民税 寄附額の4割 法人住民税法人税割額の20%
法人税 寄附額の1割(法人住民税で4割に達しない場合の残額) 法人税額の5%
法人事業税 寄附額の2割 法人事業税額の20%

例えば、1,000万円を寄附した場合、最大約900万円の法人関係税が軽減されます。 自社の控除可能額の上限は税目ごとに異なるため、控除額シミュレーション・上限の詳細計算もあわせてご確認ください。

🎯 自社の寄附額で即試算する

所得額と寄附額の2つを入力するだけで、税額控除額・実質負担額・税軽減の内訳がグラフで表示されます(令和9年度末まで延長対応の2026年版)。

寄附額シミュレーターを開く →

📊 自社の控除上限額を今すぐ確認

寄附額・法人税額を入力するだけで「実質負担額」「各税目の控除額」を自動計算。稟議書に使える数値をすぐに把握できます。

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💬 社内で稟議を通したい方はこちら(社内説得シリーズ)

CSR担当者が企業版ふるさと納税の稟議を通すまでに必ず通過する4部門(財務・経営・法務・IR)向けの説明資料を、相手別に用意しました。

寄附の条件

  • 最低寄附額:1回10万円以上
  • 対象外:本社が所在する地方公共団体への寄附
  • 対象外の自治体:不交付団体である東京都、および不交付団体で三大都市圏の既成市街地等に所在する市区町村
  • 禁止事項:寄附の代償として経済的な見返りを受けることは禁止
  • 寄附額は事業費の範囲内とすることが必要
  • 寄附企業名は原則公表

活用の流れ

  1. 地方公共団体が地方版総合戦略を策定する
  2. 総合戦略を基に、地方公共団体が地域再生計画を作成する
  3. 内閣府が計画を審査し、内閣総理大臣が認定する(年3回:5月・9月・1月頃)
  4. 企業が認定済み事業に対して寄附を実施する
  5. 企業は法人関係税の確定申告時に税額控除を適用する

より実務的な手続きの詳細(必要書類・スケジュール・注意点など)は手続き完全ガイドで解説しています。

人材派遣型

令和2年(2020年)10月には、「人材派遣型」が創設されました。企業の専門的な知識・ノウハウを有する人材を地方公共団体等に派遣し、地方創生の充実・強化を図る制度です。

  • 人件費相当額を含む寄附額の最大約9割に税の軽減効果
  • 派遣形態は柔軟に設定可能(週3日、午前中のみなども可)
  • 自治体は実質的な人件費負担なく専門人材を受け入れ可能
  • 令和6年度時点で累計157名が派遣され、116団体が受け入れ(内閣府「人材派遣型の活用実績(R070226 公表値・PDF)」より)

人材派遣型の詳細は人材派遣型の完全ガイドをご覧ください。

制度の実績と今後

令和2年度の税制改正で税額控除割合が2倍に引き上げられたことを機に、寄附実績は飛躍的に増加しています。

年度 寄附額 寄附件数 寄附企業数
令和元年度 約33.8億円 1,327件 1,117社
令和2年度(税制改正) 約110.1億円 2,249件 1,640社
令和5年度 約470.0億円 14,022件 7,680社
令和6年度 約631.4億円 18,457件 8,464社

📎 この推移データはCSV・グラフ・コピペ用テキスト付きでダウンロードできます(CC BY 4.0、商用利用可能):企業版ふるさと納税 年度別推移オープンデータ

令和7年度税制改正により、制度改善策(チェックリスト導入・契約手続の透明化等)を講じた上で、令和9年度(2027年度)まで延長が決定されています。制度の期限や延長の経緯はいつまで?期限延長ガイドで詳しく解説しています。 実際にどのような企業・自治体が活用しているかは他社の寄附パターン事例集(業種別・大臣表彰受賞例含む)でご確認いただけます。

当サイトでは、全国の自治体が認定を受けた地域再生計画の一覧を掲載しています。ぜひ寄附先の検討にご活用ください。

よくある質問(FAQ)

Q1. 実質負担はどれくらいになりますか?

寄附額の最大約9割が法人関係税から控除されるため、実質負担は約1割です。1,000万円を寄附した場合、最大約900万円が税軽減され、実質負担は約100万円になります。ただし税目ごとに控除上限があるため、正確な金額はシミュレーターで確認してください。

Q2. 本社所在地の自治体には寄附できませんか?

本社が所在する地方公共団体への寄附は対象外です。「企業版ふるさと納税」の趣旨が地元以外の地方創生への支援にあるためです。また東京都などの不交付団体と、三大都市圏の既成市街地等の市区町村も対象外です。支店・工場所在地への寄附は、本店所在地でなければ原則可能です。

Q3. 寄附先はどうやって探しますか?

内閣府が認定した地域再生計画を実施している自治体に寄附できます。当サイトの地域再生計画一覧では、全国の認定済み事業を都道府県・テーマ別に検索できます。自社のCSR戦略(脱炭素・教育・防災など)に合う事業を選ぶと、社内稟議でも説明しやすくなります。同業他社の寄附実例から探したい場合は業種別事例集(IT・製造・建設・金融・流通など8業種28事例)が起点になります。

Q4. 手続きはどれくらい時間がかかりますか?

認定済み事業への寄附であれば、最短数週間で手続きが完了します。新規の地域再生計画認定から進める場合は、内閣府の審査(年3回)を経るため数ヶ月かかります。手続き完全ガイドでは、必要書類・スケジュール・注意点を一覧化しています。

Q5. 寄附後に自治体から何か受け取ってもよいですか?

「経済的利益の供与」に当たるものは受け取れません。地酒・工芸品などの記念品は社会通念上の範囲で認められますが、商品券・特別な契約機会・施設の優先使用などは禁止です。内閣府が提示するチェックリストを事前確認することを推奨します。詳細は経済的利益の供与・便益提供の禁止をご覧ください。

CSRテーマ別 活用ガイド

企業版ふるさと納税は、ESG経営・CSR戦略と組み合わせることで最大の効果を発揮します。自社のCSRテーマに合わせたガイドをご活用ください。