「第2世代交付金」とは、令和7年度(2025年度)から従来の「デジタル田園都市国家構想交付金」を再編・名称変更した新しい地方経済・生活環境創生交付金の通称です(出典:内閣府 第2世代交付金)。この交付金は基本的に地方公共団体(自治体)向けであり、企業が直接受給するものではありません。企業は連携・人材・寄附を通じて、交付金が支える地域プロジェクトに関わります。
この記事の要点
- 従来の「デジタル田園都市国家構想交付金」は令和7年度(2025年度)より「新しい地方経済・生活環境創生交付金(通称:第2世代交付金)」に再編・名称変更された(出典:内閣府)。
- 第2世代交付金は、2025年6月13日に閣議決定された地方創生2.0を予算面で支える交付金。司令塔は内閣官房「新しい地方経済・生活環境創生本部(地域未来戦略本部)」。
- 交付金は自治体向けであり、企業は直接受給しない。自治体が地域づくりの取組に活用する。
- 地域再生計画は、従来の実施計画ごとの作成から、自治体で1つの「包括的な地域再生計画」を作成・認定を受ける仕組みに見直された。
- 企業は(a)包括連携協定・人材提供で地域プロジェクトに参画、(b)企業版ふるさと納税で資金面から関与できる。
- 具体的な予算額は確実な一次情報に基づき内閣府の資料を参照のこと。本記事では金額を断定しない。
この記事は、ピラー記事 地方創生2.0と企業連携 のスポーク(第2世代交付金と企業の関わり)です。地域連携の入口を一覧で整理したい方は、まずハブ 企業の地域連携ハンドブック もあわせてご覧ください。
第2世代交付金とは:デジ田交付金からの再編
第2世代交付金の正式名称は「新しい地方経済・生活環境創生交付金」です。これは、従来の「デジタル田園都市国家構想交付金」(通称:デジ田交付金)を、令和7年度(2025年度)から再編・名称変更したものです(出典:内閣府 新しい地方経済・生活環境創生交付金(第2世代交付金))。従来制度の概要は内閣府(地方創生)デジタル田園都市国家構想交付金のページで確認できます。
名称が変わっただけでなく、政策の枠組みそのものが「次の世代」へ移行した点が重要です。企業の経営企画・地域連携担当者にとっては、これまで「デジ田交付金」として認識していた制度の呼称と運用が更新された、という理解からスタートするのが適切です。
地方創生2.0を予算面で支える交付金
第2世代交付金は、2025年(令和7年)6月13日に閣議決定された「地方創生2.0基本構想」(内閣官房)を予算面で支える交付金と位置づけられています(出典:地方創生2.0基本構想 概要(PDF))。地方創生2.0という10年スパンの国家方針があり、それを地域の現場で動かすための財政的な裏づけが第2世代交付金である、という関係です。
企業がこの構図を押さえておくと、自社の地域連携施策を「国の方針(地方創生2.0)に整合し、その財源(第2世代交付金)が支える地域プロジェクトに関わるもの」として、社内向けに説明しやすくなります。
司令塔:新しい地方経済・生活環境創生本部
第2世代交付金を含む新しい地方創生政策の司令塔は、内閣官房「新しい地方経済・生活環境創生本部(地域未来戦略本部)」です。複数の府省にまたがる地方創生政策を束ねる役割を担っています。企業が自治体と連携する際にも、この本部が示す方針が政策全体の方向性の起点になります。
交付金は誰のためのものか:企業は直接受給しない
ここが本記事で最も誤解されやすい論点です。第2世代交付金は、基本的に地方公共団体(自治体)向けの財源であり、企業が直接受給するものではありません。交付金を受けるのは自治体であり、自治体がその財源を地域づくりの取組に活用します。
「交付金」「補助金」という言葉から、企業が直接申請して資金を得られる制度だと受け取られることがありますが、第2世代交付金についてはそうではありません。企業はあくまで、交付金が支える地域プロジェクトの側に関わる立場です。この区別を曖昧にしたまま社内で議論を進めると、施策の設計を誤るおそれがあるため、最初に明確にしておく必要があります。
| 立場 | 交付金との関係 |
|---|---|
| 地方公共団体(自治体) | 交付金の交付先。地域再生計画に基づき地域づくりの取組に活用する。 |
| 企業 | 交付金を直接受給しない。交付金が支える地域プロジェクトに、連携・人材・寄附で関わる。 |
包括的な地域再生計画への見直し
第2世代交付金では、地域再生制度の運用も見直されました。地域再生制度とは、地方公共団体が作成する「地域再生計画」を内閣総理大臣が認定する仕組みです。
従来は、個別の実施計画ごとに地域再生計画を作成していました。第2世代交付金では、これを自治体で1つの「包括的な地域再生計画」を作成し、認定を受ける仕組みに見直されています(出典:内閣府 第2世代交付金)。個別の事業ごとにバラバラだった計画を、自治体単位で包括的に束ねる方向への転換です。
企業の側から見ると、この変更は「自治体が地域づくりの全体像を1つの計画にまとめる」ことを意味します。連携を検討する際には、個別事業だけでなく、自治体が描く包括的な地域再生計画の文脈の中で自社の関与をどう位置づけるか、という視点が重要になります。
| 論点 | 従来 | 第2世代交付金 |
|---|---|---|
| 呼称 | デジタル田園都市国家構想交付金 | 新しい地方経済・生活環境創生交付金(第2世代交付金) |
| 地域再生計画の作成単位 | 実施計画ごとに作成 | 自治体で1つの包括的な地域再生計画を作成・認定 |
| 政策上の位置づけ | デジタル田園都市国家構想を支える | 地方創生2.0を予算面で支える |
企業はどう関われるか:2つの道筋
交付金そのものは自治体の財源ですが、企業は交付金が支える地域プロジェクトに関与できます。政府が示す枠組みを踏まえると、企業の関わり方は大きく次の2つに整理できます。
(a) 包括連携協定・人材提供で地域プロジェクトに参画
1つ目は、自治体との包括連携協定を結び、あるいは人材を提供する形で、交付金が支える地域プロジェクトに参画する道筋です。企業が持つ専門知見や人材を地域づくりの現場に投じることで、資金(交付金)と人材・ノウハウ(企業)が組み合わさります。
社員が地域に継続的に関わることは、関係人口づくりの観点からも意義があります。包括連携協定を入口に、人材提供やプロジェクト参画へと関与を広げる設計が考えられます。
(b) 企業版ふるさと納税で資金面から関与
2つ目は、企業版ふるさと納税(地方創生応援税制)を通じて、資金面から地域再生計画の取組に寄附する道筋です。企業版ふるさと納税は、国の認定した地方公共団体の地方創生プロジェクトに企業が寄附を行った場合に、税制上の優遇措置を受けられる仕組みで、制度の詳細や対象事業は内閣府の企業版ふるさと納税ポータルサイトで確認できます。
ここで押さえておきたいのは、企業版ふるさと納税も地域再生計画に基づく事業が対象である、という点です。つまり、第2世代交付金における「包括的な地域再生計画」と、企業版ふるさと納税の対象事業は、いずれも自治体の地域再生計画という同じ土台の上にあります。企業は交付金を直接受給できなくても、企業版ふるさと納税という形で、同じ地域再生計画の取組を資金面から後押しできます。
制度の基礎から学びたい方は、企業版ふるさと納税とは|基礎ガイドもあわせてご覧ください。
| 関与の道筋 | 具体的な動き | 主に動く経営資源 |
|---|---|---|
| 包括連携協定・人材提供 | 自治体と協定を結び、人材・知見を地域プロジェクトに投じる | ヒト・専門スキル・関係性 |
| 企業版ふるさと納税 | 地域再生計画に基づく事業に寄附し、資金面から支える | 資金 |
予算額をどう扱うか:一次情報に当たる
第2世代交付金の予算規模について、具体的な金額は出所により表現が異なることがあるため、本記事では断定しません。正確な予算額や補助の枠組みは、必ず内閣府の資料や第2世代交付金のページといった一次情報で確認してください。
企業が社内資料や役員稟議で数値を引用する際は、民間メディアの要約ではなく政府の一次資料に直接当たることが、資料の信頼性を担保するうえで欠かせません。これは交付金の額に限らず、地方創生政策全般を扱う際の基本姿勢です。
役員稟議・連携企画への落とし込み
第2世代交付金を背景に地域連携を検討する際は、次の順序で整理すると社内説明がしやすくなります。
- 制度の前提を正しく示す:交付金は自治体向けで企業は直接受給しないこと、企業は連携・人材・寄附で関わることを明記する。
- 政策との整合性を示す:自社の取組が地方創生2.0と、それを支える第2世代交付金の文脈にどう位置づくかを説明する。
- 関与の道筋を選ぶ:包括連携協定・人材提供と、企業版ふるさと納税のどちらを主軸にするか、あるいは組み合わせるかを決める。
- 自治体の包括的な地域再生計画を確認する:連携先自治体が描く全体像の中で、自社の関与をどう位置づけるかを検討する。
- 一次情報で裏づける:制度の内容や数値は内閣府・内閣官房(基本構想 概要)の資料に直接当たる。
自社に合う関与方法を素早く知りたい方は、AI診断(無料)もご活用ください。なお、企業版ふるさと納税の税制上の効果や限度額は企業の状況により異なります。具体的な税務判断は、最新の制度内容を内閣府ポータルで確認のうえ、税理士など専門家とともに検討してください。本記事は制度の一般的な説明にとどめ、個別の税額試算は行いません。
本サイトの関連ガイド
- 地方創生2.0と企業連携の全体像は 地方創生2.0と企業連携(ピラー)
- 地域連携の入口を一覧で見たい方は 企業の地域連携ハンドブック(ハブ)
- 関係人口としての関与は 関係人口と企業の関与
- 連携の枠組みは 包括連携協定と企業
- 制度の基礎から学びたい方は 企業版ふるさと納税とは|基礎ガイド
- 自社に合う関与方法を素早く知りたい方は AI診断(無料)
よくある質問(FAQ)
Q. 第2世代交付金とは何ですか?
令和7年度(2025年度)から従来の「デジタル田園都市国家構想交付金」を再編・名称変更した「新しい地方経済・生活環境創生交付金」の通称です。2025年6月13日に閣議決定された地方創生2.0を予算面で支える交付金で、司令塔は内閣官房「新しい地方経済・生活環境創生本部(地域未来戦略本部)」です(出典:内閣府)。
Q. 企業は第2世代交付金を直接受け取れますか?
いいえ。第2世代交付金は基本的に地方公共団体(自治体)向けの財源であり、企業が直接受給するものではありません。自治体が交付金を地域づくりの取組に活用します。企業は、交付金が支える地域プロジェクトに連携・人材・寄附で関わる立場です。
Q. 地域再生計画の仕組みはどう変わりましたか?
地域再生計画は地方公共団体が作成し内閣総理大臣が認定する仕組みです。従来は実施計画ごとに作成していましたが、第2世代交付金では自治体で1つの「包括的な地域再生計画」を作成し認定を受ける仕組みに見直されました(出典:内閣府)。
Q. 企業はどのように地域プロジェクトに関われますか?
交付金は自治体の財源ですが、企業は(a)自治体との包括連携協定や人材提供で地域プロジェクトに参画する、(b)企業版ふるさと納税で資金面から地域再生計画の取組に寄附する、という2つの道筋で関与できます。企業版ふるさと納税も地域再生計画に基づく事業が対象です。
Q. 第2世代交付金の予算額はいくらですか?
具体的な金額は出所により表現が異なることがあるため、本記事では断定しません。正確な予算額は内閣府の資料や第2世代交付金のページなどの一次情報で確認してください。社内資料への引用は政府の一次資料に直接当たることをおすすめします。