本記事は、内閣官房・内閣府(地方創生SDGs官民連携プラットフォーム)が主催した「地方創生SDGs官民連携プラットフォーム 第37回 分科会(企業版ふるさと納税 企業と地方公共団体とのマッチング会、令和6年1月24日開催)」の内容をもとに、企業のCSR・地域連携担当者向けに要約・再構成したものです。登壇者は内閣府地方創生推進事務局の担当者、および民間企業(研修・人材育成分野)の代表者です。記載内容はすべて政府主催イベントにおける講演・説明に基づくものであり、査読を経た研究ではありません。効果の断定は避け、登壇者の説明と紹介事例の範囲で要約しています。発言の聞き取りが不明確な固有名詞・数値は記載していません。
分科会(マッチング会)はどんな場だったのか
この分科会は、地方公共団体と企業が直接出会うマッチング会として開かれました。前半は事業分野ごとに分かれた複数のルームで、自治体と企業が短時間のプレゼンテーションを実施。後半は、関心を持った企業と自治体が1対1で対話できる時間も設けられました。企業側は、気になる自治体の発表を聞き、面談を希望する相手を事務局に申し込む流れ。こうした仕組みにより、企業は寄附先や連携先の候補となる自治体と、短時間で接点を持てる場になっていると言えるでしょう。
そもそも企業版ふるさと納税とはどんな制度か
分科会では、内閣府地方創生推進事務局の担当者が制度の概要を説明しました。企業版ふるさと納税(地方創生応援税制)は、地方公共団体が行う地方創生の取り組みに対する企業の寄附について、法人関係税を税額控除する仕組みです。2016年(平成28年)に創設され、民間の資金や人材を地方へ向かわせ、官民連携を後押しするツールとして位置づけられています。地域課題が複雑化し、行政組織だけでの解決が難しくなる中で、地域の課題解決に積極的に取り組む企業を支援する制度として紹介されました。
軽減効果はどれくらいか
通常の寄附でも全額が損金算入され、法人税率に応じた軽減効果が得られます。企業版ふるさと納税では、これに税額控除が上乗せされ、税制改正を経て最大で9割程度までの税の軽減が可能とされています。講演では、1,000万円を寄附した場合、約900万円の法人関係税が軽減される例が示されました。ただし、実際の税額は企業ごとの状況によって異なるため、検討の際は個別に確認が必要です。制度の詳しい仕組みについては、企業版ふるさと納税の解説も併せてご参照ください。
企業が気をつけるべきポイントは何か
講演で特に強調されたのは以下の点です。まず、個人版とは異なり、寄附の見返りとしての経済的利益は禁止されています。返礼品のようなものはありません。ただし、自治体のホームページや広報での企業紹介、適正な公募プロセスを経た結果としての契約までは、一律に禁止されているわけではありません。次に、本社が所在する自治体への寄附は制度の対象外です。最後に、寄附額は事業費の範囲内で使われる必要があります。これらは企業が事前に押さえておくべき基本的な条件です。
お金だけでなく人で関わる方法はあるか
もう一つの選択肢として、「人材派遣型」が紹介されました。基本的な仕組みは寄附型と似ていますが、寄附金の中に派遣する社員の人件費に相当する部分を含め、自社の社員を自治体に派遣する点が異なります。企業側からは、税の軽減効果に加え、現場でプロジェクトを進める社員が直接地域に貢献できる、人材育成の機会にもなるといった声が上がっています。自治体側も、人件費を負担せずに専門人材を受け入れられる利点があり、講演では業務用アプリの開発を派遣人材が担った事例も紹介されました。
どのくらいの自治体が寄附を受け取れる状態か
講演では、地域再生計画の認定を受け、企業からの寄附を受け取れる体制が整っている自治体が、46道府県・1,587市町村にのぼると説明されました。これは対象となる自治体の約94%にあたるとされ、当サイトが独自に算出した数値ではありません。一方で、地方交付税の不交付団体である東京都など一部は制度の対象外です。連携先を探す企業にとっては、全国の幅広い自治体が候補になり得る、という認識ができます。
企業はどう連携を始めればよいか
講演では、自治体が用意した事業に企業が寄附するという流れだけでなく、近年は企業側からテーマを提示して自治体を募る、あるいは企業が案件を持ち込んで自治体と事業を一緒に考える例も増えています。企業側の検討では、自社の長期的な発展につながる観点から寄附先を選ぶ動きも見られます。たとえば、沿線の観光施設への寄附が自社の利用増につながる可能性があるといった例が挙げられました(ただし、直接的な見返りの取り決めは禁止されています)。
登壇企業による創業支援の事例
分科会では、登壇した民間企業(研修・人材育成分野)の代表が、企業版ふるさと納税を活用した小規模な創業支援の取り組みを紹介しました。地域おこし協力隊の任期終了後、仕事がなく離れてしまうという課題に対して、リモートでできる仕事を提供しながら創業を伴走支援する仕組みを、ある地方の小規模な自治体と組んで進めていると説明されました。寄附金は、村が整備するコワーキングスペースの設備などに活用される形です。企業が自らのノウハウを生かして自治体と事業を共創する、一例として紹介されました。
企業×自治体連携の次のステップ
この分科会が示すのは、企業と自治体の出会いの場が制度として整備されており、寄附型・人材派遣型・共創型と、関与の深さを選べる点です。自社の戦略や規模に合う関わり方を整理するには、官民連携の全体像をまとめた地方創生2.0×企業連携や企業×自治体連携ハブを併せてご覧ください。関わり方の選択肢を素早く絞り込みたい場合は、AI診断も活用できます。
この動画について
本記事は、内閣官房・内閣府(地方創生SDGs官民連携プラットフォーム)が主催した「地方創生SDGs官民連携プラットフォーム 第37回 分科会(企業版ふるさと納税 企業と地方公共団体とのマッチング会、令和6年1月24日開催)」の内容をもとに、企業×自治体連携の文脈で要約・翻案したものです。登壇者は内閣府地方創生推進事務局の担当者、および民間企業(研修・人材育成分野)の代表者です。発言の聞き取りが不明確な固有名詞・数値は記載していません。動画URL: https://www.youtube.com/watch?v=f7rg4-ovAt0
よくある質問
Q. 地方創生SDGs官民連携プラットフォームとは何ですか。
A. 企業と地方公共団体がSDGsを共通言語として出会い、地域課題の解決に向けて連携するための官民の場です。第37回分科会では、自治体と企業が短時間のプレゼンを行い、その後1対1で面談できるマッチング会の形式がとられました。
Q. 企業版ふるさと納税の税の軽減効果はどのくらいですか。
A. 損金算入による軽減に税額控除が上乗せされ、税制改正を経て最大で9割程度まで税の軽減効果が得られると説明されました。たとえば、1,000万円の寄附で約900万円の法人関係税が軽減されるケースも示されました。実際の額は企業の状況によって異なります。
Q. 企業が寄附する際に注意すべき点は何ですか。
A. 寄附の見返りとしての経済的利益は禁止されています。本社が所在する自治体への寄附も対象外です。また、寄附額は事業費の範囲内で使われる必要があります。この3点が講演で特に強調されました。
Q. お金以外で関わる方法はありますか。
A. 人材派遣型の枠組みがあります。寄附金に派遣社員の人件費相当を含め、自社の社員を自治体に派遣する形で、企業は税の軽減効果を得つつ、より直接的に地域に関われるようになります。
Q. どのくらいの自治体が寄附を受け取れますか。
A. 地域再生計画の認定を受けて寄附を受け取れる体制が整っている団体は、46道府県・1,587市町村にのぼり、対象自治体の約94%にあたります。この数値は講演中の説明に基づくものです。東京都など一部の不交付団体は対象外です。
Q. 企業から連携を提案することはできますか。
A. はい。近年では、企業側からテーマを提示して自治体を募るケースや、企業が案件を持ち込んで自治体と事業を一緒に考える事例も増えています。登壇企業による創業支援の共創事例も紹介されました。