本記事は、内閣府による政府基調講演の内容を、企業の地域連携・CSR担当者向けに要約したものです。査読を経た研究そのものではなく、政府の政策説明である点にご留意ください。数値や固有名詞は講演内で明確に語られたものだけを記載しています。交付金の名称・要件・予算額は講演時点(2023年1月)のものであり、その後の制度再編により変更されています。最新の制度内容・予算・要件は内閣府の公式情報をご確認ください。
地方創生テレワークは国の戦略でどう位置づけられているか
講演では、2022年12月に閣議決定された「デジタル田園都市国家構想総合戦略」の中で、地方創生テレワークが重要施策として位置づけられていると説明されました。戦略の柱は、デジタルの力で地方の社会課題を解決し、それを成長の原動力につなげるという考え方です。施策は「地方に仕事をつくる」「人の流れをつくる」「結婚・出産・子育ての希望をかなえる」「魅力的な地域をつくる」に整理され、地方創生テレワークは「人の流れをつくる」に含まれます。
そもそも地方創生テレワークとは何か
講演では、地方創生テレワークを「デジタル技術を活用した、地方創生に資するテレワーク」と定義していました。具体例として挙げられたのは、東京圏の企業に勤めたまま地方へ移住してテレワークを行うなど、場所にとらわれない働き方を可能にする取り組みです。
国はどんな数値目標(KPI)を掲げているか
関連するKPIとして、サテライトオフィスなどを設置した自治体数が示されました。講演時点の前年夏時点で654団体あり、これを2024年度までに1000団体、2027年度までに1200団体へ増やす目標が設定されています。これらのKPIは講演内で示されたもので、最新の目標値は内閣府の公式情報でご確認ください。
企業の地方拠点づくりに使える交付金支援はあるか
講演では、令和4年度第2次補正予算で措置された「デジタル田園都市国家構想交付金」(800億円)のうち、デジタル実装タイプに400億円が充てられ、その一部を地方創生テレワーク型の支援に活用すると説明されました。なお、この交付金は令和7年度から「新しい地方経済・生活環境創生交付金」として再編されており、名称・要件・予算額が変更されています。
講演時点で支援の対象として挙げられたのは次のような取り組みです。
- 自治体が運営する施設の整備費用への支援
- 民間が運営する施設の整備への支援(自治体を通じて)
- 既存施設の拡充・利用促進への支援
- 企業の進出支援
- 進出企業の定着と地域活性化の支援
特に企業の進出支援については、サテライトオフィスを利用する進出企業と地元企業が連携し、地域資源を活用した地域活性化に取り組む活動を後押しする枠組みが説明されました。地域資源が活用しきれていない状態を「地域の社会課題」と捉え、その解決に進出企業と地元企業が連携して取り組むことが、地方創生テレワークの定着に重要だという見解が示されています。
企業版ふるさと納税はサテライトオフィス整備に活用できるか
講演では、企業版ふるさと納税についても説明がありました。国が認定した地方公共団体の地方創生プロジェクトに企業が寄附した場合、法人関係税の税額控除が受けられ、最大で約9割の税負担軽減効果がある仕組みです。寄附を活用して自治体がサテライトオフィスを整備するケースもあると紹介されました。制度の詳細や活用事例は企業版ふるさと納税のしくみもあわせて参考にしてください。
寄附した企業が施設を使ううえでの注意点は
講演で強調されたのは、寄附の代償として寄附企業が経済的な見返りを受けることは禁止されているという点です。たとえば寄附で整備したサテライトオフィスを、寄附企業が最初から独占利用することは認められません。一方で、公募を通じて寄附企業以外も同じ条件で利用できる状態にしたうえで、結果として他社が入居せず寄附企業だけが使うことになった場合は、透明で公正なプロセスを経ていれば「経済的見返りの禁止」には当たらない、という整理が示されました。
交付金や寄附以外に企業が頼れる支援はあるか
普及啓発として4つの取り組みが紹介されました。具体的には、ポータルサイトやセミナーによる情報提供事業、企業や自治体からの相談に応じる相談支援事業、取り組む企業などによる自己宣言、そして表彰制度です。発信情報だけでは届きにくい個別の論点については、相談支援の活用が勧められていました。
この動画について
登壇: 内閣府(デジタル田園都市国家構想実現会議事務局)による政府基調講演
講演タイトル: 【内閣府基調講演】令和5年度 地方創生テレワークの推進の取組(2023年1月20日開催、タイトルは字幕の表記どおり)
動画: 内閣官房・内閣府「地方創生」公式YouTubeチャンネルで公開(https://www.youtube.com/watch?v=Tr30F023Hus)。URLは公開元の都合で変更・削除される場合があります。
本記事は上記講演の日本語字幕(自動文字起こし)のみを根拠に要約したものです。聞き取りが不明確な固有名詞・数値は記載していません。最新の制度内容・予算・要件は内閣府の公式情報をご確認ください。
よくある質問
Q. 地方創生テレワークとは何ですか
A. 講演では、デジタル技術を活用した地方創生に資するテレワークと定義されています。例として、東京圏の企業に勤めたまま地方へ移住してテレワークを行うなど、場所にとらわれない働き方を可能にする取り組みが挙げられました。
Q. サテライトオフィス設置自治体の目標数は
A. 講演時点の前年夏で654団体あり、2024年度までに1000団体、2027年度までに1200団体へ増やす目標が設定されていると説明されました。これらは講演時点の目標値であり、最新の目標は内閣府の公式情報でご確認ください。
Q. 企業の地方拠点づくりに使える交付金はありますか
A. 講演では、デジタル田園都市国家構想交付金(令和4年度第2次補正予算で800億円、うちデジタル実装タイプ400億円)の一部が地方創生テレワーク型支援に活用されると説明されました。ただし令和7年度から「新しい地方経済・生活環境創生交付金」として再編されており、名称・要件・予算額は変更されています。最新情報は内閣府にご確認ください。
Q. 企業版ふるさと納税の税負担軽減効果はどのくらいですか
A. 講演では、国が認定した地方公共団体の地方創生プロジェクトに企業が寄附した場合、法人関係税の税額控除により最大で約9割の税負担軽減効果があると説明されました。
Q. 寄附で整備した施設を寄附企業が利用できますか
A. 寄附の代償として経済的見返りを受けることは禁止されており、最初から独占利用することはできません。ただし公募で他社も同条件で利用できる状態にしたうえで、結果的に寄附企業だけが使うことになった場合は、透明で公正なプロセスを経ていれば禁止に当たらないと整理されています。
Q. 交付金や寄附のほかに企業が使える支援はありますか
A. 普及啓発として、情報提供事業、相談支援事業、取り組む企業などの自己宣言、表彰制度の4つが紹介されました。個別の論点には相談支援の活用が勧められています。